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第5回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社彩笑、更新担当の中西です。

 

さて今回は

海外で最初の塗装業者についてということで、本記事では、海外における塗装業の起源と最初の塗装業者について深く掘り下げます♪

塗装業は、建築、家具、自動車、船舶、工業製品など、さまざまな分野で欠かせない存在です。塗装は単に美観を向上させるだけでなく、素材を保護し、耐久性を高めるという重要な役割を果たしてきました。そして、この技術が産業として確立された背景には、歴史的な需要の変遷と革新が深く関わっています。では、世界で最初の塗装業者はいつ、どのようにして誕生したのでしょうか。


塗装の原点:古代文明と塗料の誕生

塗装の歴史は古代文明に遡ります。塗料を使った装飾や保護の技術は、人類が建築や工芸を始めた時代から存在していました。

古代エジプトの塗装文化

古代エジプト(紀元前3000年頃)では、王家の墓やピラミッドの内部に鮮やかな色彩が施されていました。塗料は天然の顔料(黄土、藍銅鉱、朱砂など)を使用し、石の表面に塗り重ねていました。また、古代エジプトでは木製の家具や船にも塗装が施され、塗装の目的は美観だけでなく、腐敗や劣化を防ぐためのものでした。

塗装を行う技術者や職人は、ファラオや貴族に仕える専門職として高い地位を持ち、これが塗装業の起源の一つと考えられます。

古代ギリシャ・ローマの塗装技術

古代ギリシャやローマでも、建物や彫刻に塗料が使用されました。特にローマ時代には、石材や木材を保護するための油性塗料が開発され、建物の壁画や公共施設、船舶に塗装が施されていました。

この時代、塗装を専門的に行う職人は「ピクトール(Pictor)」と呼ばれ、塗料の製造から塗装作業までを一貫して行っていました。これが、世界で初めて塗装業を職業として確立した例と言えるでしょう。


中世ヨーロッパの塗装業の発展

中世ヨーロッパでは、塗装業が徐々に独立した職業として確立されていきました。この時代、建築物や家具、宗教施設などの塗装が需要を増し、塗装業者の役割が重要になりました。

ギルドによる職人の組織化

中世ヨーロッパでは、塗装職人はギルド(職業組合)の一員として活動していました。ギルドは、技術の標準化、品質管理、職人の教育を担い、塗装業を専門職として認知させる役割を果たしました。

  • イギリスでは、14世紀に「塗装職人ギルド(Painter-Stainers’ Company)」が設立されました。このギルドは、塗装職人の技術向上や労働条件の改善を目指し、塗装業のプロフェッショナリズムを推進しました。
  • フランスでは、ノートルダム大聖堂などの宗教建築物の装飾に塗装職人が従事し、建築塗装が盛んになりました。

塗装の対象と技術の進化

この時代の塗装は、主に建築物や教会の内部装飾に集中していました。天然顔料を使った塗料が主流で、卵黄や蜂蜜、オリーブ油を混ぜたテンペラや、植物性油を使用した油性塗料が用いられていました。これらの技術は、後の近代塗装業の基盤となりました。


近代塗装業の誕生:産業革命と塗料の進化

18世紀後半から19世紀にかけての産業革命は、塗装業における大きな転換点となりました。この時期、建築や製造業の発展により塗装の需要が急増し、塗料の製造技術が劇的に進化しました。

近代的な塗装業者の誕生

塗装業が職人の域を超え、企業として組織化されたのは、19世紀のヨーロッパとアメリカが先駆けです。

  1. イギリス:塗装業の組織化
    イギリスでは、産業革命の中心地であるロンドンやマンチェスターを中心に、塗装業者が多数設立されました。特に建築用塗料の需要が高まり、塗装業者は専門性を強化し、建物の外壁や内装に特化したサービスを提供しました。19世紀半ば、ロンドンで創業した「Dulux(デュラックス)」は、現在でも世界的に有名な塗料ブランドとなっています。
  2. アメリカ:工業塗装の発展
    アメリカでは、鉄道車両や造船業の発展とともに、金属塗装の技術が確立されました。19世紀後半、ペンシルベニア州を拠点とする「Sherwin-Williams(シャーウィン・ウィリアムズ)」が設立され、世界初の既製塗料を開発しました。この会社は、塗装業の産業化を牽引し、塗装業者に安定した品質の塗料を供給することで塗装業界を支えました。

塗料の技術革新

  • 既製塗料の開発:従来は塗料を現場で調合していましたが、既製品として安定した塗料が供給されるようになりました。
  • スプレー塗装の導入:アメリカで発明されたスプレーガンは、塗装作業の効率を飛躍的に向上させ、大規模な塗装が可能になりました。

世界最初の塗装業者としてのSherwin-Williams

1870年にアメリカで設立された「Sherwin-Williams」は、世界初の近代的な塗装業者および塗料メーカーとして広く認識されています。同社は、既製塗料を開発し、塗装業者や個人消費者に手軽に利用できる塗料を提供しました。

Sherwin-Williamsの革新性

  1. 最初の缶入り塗料の販売
    既製品として缶詰めされた塗料を販売し、調合の手間を省きました。
  2. 塗料の種類の多様化
    木材、金属、石材など、さまざまな素材に適した塗料を開発しました。
  3. 塗装業界への影響
    塗装業者向けのトレーニングや塗料の提供を通じて、塗装業界全体を支える存在となりました。

現代の塗装業とその意義

現代では、塗装業は建築、工業、自動車、航空宇宙産業など、非常に広範囲にわたる分野で欠かせない存在となっています。環境に配慮したエコ塗料や、自動車産業でのロボット塗装技術の導入など、技術革新が続いています。

塗装業の起源を振り返ると、古代文明から始まり、中世の職人文化、そして近代産業革命を経て現在に至るまで、その技術と産業がどのように進化してきたかが分かります。最初の塗装業者たちは、素材の保護と美観の両立を追求し、今日の塗装業界の基盤を築きました。


結論

海外で最初の塗装業者は、古代文明の職人文化から中世ヨーロッパのギルド、そして産業革命期における組織化された塗装業者へと進化してきました。その中でも、19世紀に設立されたアメリカの「Sherwin-Williams」は、近代塗装業のパイオニアとして重要な役割を果たしました。

塗装業の歴史を振り返ることで、塗装が単なる装飾や防護の技術に留まらず、人類の生活と文化を支える重要な産業であることが浮き彫りになります。これからも塗装業は技術革新とともに進化を続け、世界中で人々の暮らしを支えていくでしょう。

 

 

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